基軸通貨

基軸通貨は、国際間の決済や金融取引などで基軸となる特定国の通貨をいいます。これは、世界中で貿易決済や金融取引などに幅広く使われ、世界の人々の価値基準として認識される通貨であり、どの国の通貨になるかは、通貨発行国の経済規模や政治力、軍事力などで決まると言われます。また、世界各国の通貨の基準として十分な役割を果たすには、通貨価値の安定、高度に発達した金融・為替・資本市場、対外取引規制がないことなどが必要となります。

 

第二次世界大戦前までは、大英帝国の繁栄を背景に英ポンドが基軸通貨の座にありましたが、戦後は米国の躍進により米ドルに交代しました。また、1945年発効のブレトン・ウッズ協定で、米国は米ドルと金の交換を約束しましたが、1971年に金・ドル交換を停止しました。これにより、金の裏付けはなくなりましたが、その後も米国の総合力(国力)を背景に、米ドルは基軸通貨の座にあります。なお、21世紀に入り、2002年に欧州でユーロの流通が開始され、今日ではユーロが世界中で幅広く用いられるようになり、米ドルに次ぐ基軸通貨となっています。